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3. 会社更生手続

(7) 更生会社財産の調査・確保

(ハ)担保権消滅許可

  • 会社更生手続における担保権消滅許可という制度について教えてください

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  • 裁判所は、更生担保権が存在する場合に、更生会社の事業の更生のために必要があると認められるときは、管財人の申立により、更生担保権の目的財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して、その財産上のすべての担保権を消滅させる許可決定することができます(会社更生法104条1項)。
  • この許可決定は、更生計画案を決議に付する決定がなされた後は、することができません(同条2項)。
  • この申立は、(1)担保権の目的である財産の表示、(2)その財産の価額、(3)消滅すべき担保権の表示等を記載した書面によりしなければなりません(同条3項)。
  • 許可決定に対しては、担保権者は、「更生会社の事業の更生ための必要性」の点について即時抗告で争うことができ(同条5項)、管財人が申立書に記載した「財産の価額」の点については価額決定の請求で争うことができます(同法105条)。
  • この手続で納付されるべき金銭は、最終的に更生手続が失敗して破産手続に移行したときに、目的財産の価額の配当を担保権者に保障する趣旨のものですから、その財産を処分するとした場合の価額で評価されます(同法施行規則27条、民事再生規則79条1項)。
  • そして、管財人の金銭納付により担保権は消滅し(会社更生法108条3項)、裁判所書記官の嘱託により担保権の抹消登記がなされます(同条4項)。
  • (1)再生手続の担保権消滅制度と異なる点は、金銭納付により直ちに配当または弁済金交付がなされず、裁判所が納付金を預かっておくことです。(2)そして、その後更生計画が認可されると、裁判所は預かっていた金銭を管財人に交付し(同法109条)、管財人から担保権者に更生計画に基づく弁済等がされます。(3)他方、更生手続が廃止等により中途で終了した場合には、その時点で配当が実施されることになります(同法110条)。
  • (1)更生計画認可決定前であっても、被担保債権額が担保目的物の価額より低い場合には、被担保債権額を超える納付金部分(剰余金)を、裁判所は管財人に交付できます(同法111条)。(2)また、管財人が金銭納付する前であっても、被担保債権相当額を納付すれば足りるとする扱いも認められています(差引納付。同法112条)。