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3. 会社更生手続

(8) 更生計画

(イ)更生計画の条項

  • 会社更生手続における更生計画の条項はどのように定めればよいのでしょうか

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  • 更生計画においては、従来の経営陣に対する経営権移譲や、組織変更行為等更生のために必要な事項に関する条項を定めることができますが、必ず定めなければならない条項として、(1)全部または一部の更生債権者、更生担保権者または株主の権利の変更、(2)更生会社の取締役・執行役等、(3)共益債権の弁済方法、(4)弁済資金の調達方法、(5)超過収益金の使途等に関する条項があります(会社更生法167条)。
  • 更生計画の内容は、同一種類の権利者の間では平等でなければならないとされる一方(同法168条1項)、更生担保権・優先的更生債権・一般更生債権・約定劣後更生債権・優先株式・普通株式という異なる種類の関係人の間で、これらの権利の実体法上の順位を考慮して、公正かつ衡平な差を設けなければなりません(同条3項)。
    なお、同一種類の権利者間であっても、不利益を受ける権利者の同意がある場合、または少額の債権等について不平等な定めをしても実質的に公平を害しない等の場合に不平等な定めをすることは許されます。
  • 更生計画による債務の猶予の期限は再生計画よりも長く、原則として15年とされ、更生担保権の担保目的物の耐用期間がそれより短い場合にはその耐用期間とされています(同法168条5項)。ただ、この期限の制限は更生計画により社債を発行する場合には適用されません(同条6項)。
  • 更生計画において、租税債権の権利を変更するには、原則として徴収権者の同意を得なければなりませんが、(1)3年以内の納税猶予もしくは換価猶予、または、(2)手続開始から1年以内の延滞税、利子税、延滞金等についての減免、猶予等については、徴収権者の意見を聴くだけで足りるとされています(同法169条)。
  • 更生計画では、届出のない債権はすべて失権するため、再生計画における権利変更の一般的基準に相当するものはなく、各債権等ごとの具体的な権利変更の定めのみが置かれます(同法170条)。
  • 本来株主総会や取締役会の決議が必要となるような事項について、更生計画で定めることができ(同法174条)、更生計画が認可されれば、会社法上の手続を経ないでも効力が生じることになります。具体的には、株式の取得(同法174条の2)、募集株式の発行(同法175条)、募集新株予約権の発行(同法176条)、募集社債の発行(同法177条)、デット・エクイティ・スワップ(同法177条の2)、解散(同法178条)、組織変更(同法179条)、合併(同法180条、181条)、分割(同法182条、182条の2)、株式交換(同法182条の3)、株式移転(同法182条の4)、新会社設立(同法183条)などです。