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4. 特別清算手続

(2) 手続の開始

(ハ)手続開始決定の効力

  • 特別清算手続開始決定の効力について教えてください

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  • 特別清算手続の効力
    (1) 特別清算開始決定があると、破産申立、清算株式会社の財産に対する強制執行等はすることができず、既にされている強制執行等の手続は中止されます(会社法515条1項)。
    (2) そして、特別清算開始決定が確定すると、中止したこれらの手続は失効します(同条2項)。
    (3) 債権者に対する弁済は、弁済禁止の保全処分がなされていない限り許されますが、債権申出期間内の弁済は原則として許されません(同法500条1項)。
    例外的に、少額債権、担保権付債権、その他弁済を許しても他の債権者を害するおそれがない債権については、裁判所の許可を得れば、弁済が許されます。
  • 特別清算手続の効力が及ばない債権
    一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算手続のために生じた債権および特別清算手続の費用請求権は、特別清算手続の効力が及びません。破産手続や再生手続における共益債権のような地位を認めるものです。
  • 否認権、双方未履行の双務契約の取扱い、相殺禁止
    手続の簡易化のため、破産手続や再生手続のように、否認権や双方未履行の双務契約の取扱いについての特別の規定は設けられておらず、相殺禁止の規定のみが存在します(同法517条、518条)。そして、相殺禁止の内容は破産手続や再生手続と基本的には同様です。
  • 担保権の行使
    担保権については、原則として自由に実行できますが、債権者一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行手続の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないときは、清算人、債権者、監査役および株主の申立または職権で、担保権実行手続の中止命令が認められています(同法516条)。
  • 裁判所による監督
    (1) 特別清算が開始すると、清算株式会社の清算は、裁判所の監督に服します(同法519条1項)。
    (2) そして、裁判所は、清算株式会社の業務を監督する官庁に対し、意見の陳述を求め、または、調査を嘱託することができます(同条2項)。
    (3) さらに、裁判所は、いつでも、清算株式会社に対し、清算事務および財産の状況の報告を命じ、その他必要な調査をすることができます(同法520条)。
    (4) 清算株式会社は、株主総会において財産目録および貸借対照表の承認がなされた後、遅滞なく、それらを裁判所に提出しなければなりません(同法511条)。
  • 清算の監督上必要な措置
    裁判所は、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役および株主の申立または職権で、
    (1) 清算株式会社の財産の処分禁止等の保全処分(同法540条)、
    (2) 株主名簿の記載の禁止処分(同法541条)、
    (3) 役員等の責任の免除の禁止処分(同法543条)をすることができます。
    また、清算株式会社の申立または職権で、
    (4) 役員の責任に基づく損害賠償請求権の保全のための役員の財産の保全処分(同法542条)
    をすることができます。