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3 再建型、清算型を見極める財務分析

(2)財務上の着眼点

まず最初に着目するのがキャッシュフロー計算書の分析です。キャッシュフロー計算書とは、会社の期首と期末の現預金の差額、つまり1年間に増減したキャッシュの状況を、通常の営業活動から生じる「営業活動によるキャッシュフロー」、固定資産の購入や投資活動から生じる「投資活動によるキャッシュフロー」、借入金や増減資から生じる「財務活動によるキャッシュフロー」に区分して分析する財務諸表の一つです。
倒産状態に陥るような会社は、金融機関等への借入返済負担がかさみ、資金繰りが圧迫されているケースが多くあります。ここで、キャッシュフロー計算書を活用し、借入金返済がなければ会社は存続できるのか、つまり営業キャッシュフローが黒字になっているのかを分析します。営業キャッシュフローが赤字になっている会社は、たとえ借入金を全額免除されたとしても、将来的にまた同様の状況に陥ることが予想されるため、迷わず清算型の手続の検討に入る必要があります。
次にポイントとなるのが、事業売却額との比較です。会社が保有する事業用資産の時価を算定し、これらの資産をバラ売りした方がその事業が将来生み出すキャッシュフロー額より大きくなると予想される場合には、清算型手続を選択することとなります。
最後に、その事業を既存会社で継続するか、若しくは他社へ譲渡し継続するかを検討します。すなわち、既存会社の倒産がその事業に与える影響が大きいと思われるときは、会社更生若しくは民事再生により会社を再建します。逆に既存会社が事業を継続していくのが好ましくないと判断した場合には、清算型の一環として事業譲渡を組み合わせるパターンと再建手続において事業譲渡や合併、分割を組み合わせるパターンのいずれかを選択することとなります。
なお、事業譲渡を組み合わせた再建を選択した場合でも、自力での再建を目指すあまり売却時期が遅れ、事業用資産の多くに抵当権をつけてしまったような場合や資金不足による事業用資産の老朽化が激しい場合などには、事業売却額がかなり低額になってしまうようなケースも見受けられますので、早期から専門家にアドバイスを受けるなどして、タイミングを誤らないようにすることが重要です。