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2 特別清算

(6)税務上の課題

法人が解散決議を行うと、その翌日から清算事業年度となるため、通常1年間の事業年度が、年の途中で終了することとなります。清算事業年度の所得計算は、通常事業年度の所得計算と大きく異なるため、その特徴を把握したうえでのタックスプランニングが有効となります。
また、特別清算に至った会社のほとんどが大幅な赤字会社で債務超過となっていることが予想されます。このようなケースですと新たに納税が発生するということはあまりありませんが、逆にいかに税金を還付してもらうかということが問題となってきます。
還付が考えられる税金は(ハ)のようになりますが、この中でも特に「欠損金の繰戻し還付」については還付額が多額となることもありえますので注意が必要となります。
(イ) 事業年度の取扱い
通常の会社が解散すると、その解散の日までを「解散事業年度」、その翌日からを「清算事業年度」とし、税額計算の方法なども大きく変更されます。
清算会社の場合には、解散決議が行われた日を解散の日とするとされています。
(ロ) 清算事業年度の所得計算
通常の事業年度の所得は益金から損金を控除するという方法により計算しますが、清算事業年度の所得は残余財産(すべての財産を換金して債務を弁済した残りの額)から、資本金等及び利益積立金額を差し引くという方法により計算されます。
したがって、不動産整理に伴う売却益が発生した場合においても、通常の事業年度では法人税が課税されるのに対し、清算事業年度では法人税が課税されないというケースもよくあります。
(ハ) 還付される税金の種類
清算会社はキャッシュに不足が生じている場合が多いため、いかに速やかに税金の還付が受けられるかがポイントとなります。清算会社で税金の還付が考えられる場合は以下のとおりです。
(a)利子、配当等の源泉所得税の還付
(b)都道府県民税の利子割額の還付
(c)法人税、消費税、地方税等の中間納付額の還付
(d)欠損金の繰戻し還付
欠損金の繰戻し還付とは、その事業年度において生じた欠損金額を、前事業年度の所得と相殺することにより、その前事業年度に支払った法人税額を還付することが出来るという制度です。この取扱いは、現在凍結状態にあり、通常の法人の場合は適用することは出来ませんが、清算法人は原則どおりの使用が可能となっています。
しかし、特別清算に至った会社はその前の事業年度においても納税額が発生しているというケースは稀であると考えられるため、実務上はあまり活用されていませんが、資金不足のため前年に生命保険を途中解約した場合や不動産を売却した場合等で、多額の納税が発生してしまっている会社は検討の余地があります。
(ニ) 清算を活用した子会社等の整理
前述のとおり、最近は特別清算を子会社や関連会社の整理に利用するケースが多くあります。
この手法の税務上のメリットは、債権者を親会社一社にすることにより、整理手続きを迅速に終結させることが可能である点と、親会社において子会社等に対する債権の全額を貸倒処理することが出来るという点にあります。